2011/06/23

ささくれ


ささくれをむこうとしたら、 

コンビニのおにぎりのような感じでクルっと1周して、 

全身の皮がきれいに剥がれ落ちてしまう。 

醜くなったその身体に近づこうとする者は誰ひとりとしておらず、 

自分が「白人」としていかに優遇された生活を送ってきたかに気づく。 

そんな絶望の淵に立たされた主人公が、 

ある日1人の貧しい黒人少女に出会う。 

少女は汚らしい服を着て、 

ほんのわずかなお金のために毎日身を削って働く。 

しかしその目は輝いていて、希望に満ち溢れていた。 

彼女は主人公の唯一の理解者だった。 

お互いの夢や価値観の合う2人は、しだいに惹かれあってゆく。 

さまざまな苦難を乗り越え、 

やっとの思いで2人の幸せを手に入れた矢先、 

主人公は不治の病で死んでしまう。 

悲しみに明け暮れる黒人少女。 

しかし、奇妙な死体を前に泣きじゃくる黒人の姿に、 

同情する者は誰ひとりとしていなかった。 

「こんな肌の色でさえなければ」 

と嘆く少女は、自らの皮を剥ぎ、 

目の前の死体と同じ姿になることで、 

はじめて差別という足かせから解放されるのであった。 



っていう小説を書いたら売れるんじゃないだろうか。